誰かとつながる・何かとつながる 「地域の居場所をつくりませんか?」開催報告(7/15実施)
2023.7.31
2023年7月15日(土)14:00~16:30
【参加者】市民活動団体:6団体8名、個人:17名 計25名
今年度2回目の市民活動応援講座は、昨今の居場所を求める方々の増加を受け、居場所活動に興味関心のある市民/団体を対象に開催しました。
はじめに講師の米田さんより様々な居場所のかたちや、コミュニティカフェ、居場所の効果についてお話をいただいた後に、地域の活動事例紹介として「地域のお茶の間研究所さろんどて」、「ひばり野のなかま達」の2団体に団体立ち上げのきっかけや現在の活動についてご紹介いただきました。
講義中の質問事項は配布したポストイットに記入し、後半の質疑応答の時間にご回答いただきました。
【講義】地域の居場所の意義と立ち上げ
講師:米田 佐知子 さん(子どもの未来サポートオフィス)
米田さんは2013年に立ち上げた「子どもの未来サポートオフィス」にて子ども・子育て支援の社会資源をつなぎ、CSR(企業が市民として果たす責任のこと)やNPOの支援を行っています。
昨今、親戚・職場・地域など様々な場所で付き合いやつながりが希薄化しています。そのため、「居場所がない」という人が増えているそうです。
居場所があることによって、参加者同士が場を一緒に作り合うことを通じて仲間ができ、地域の課題解決や魅力ある地域づくりにつながるとのことです。
居場所を立ち上げるときのポイントは
・居場所づくりに誰かの「願い」があること
・プロセス(過程)が大切
物事の初期から関わる
・小さく始める
・持ち寄って場を育て合う
参加の「余白」があること
運営については
・運営者同士の相互理解
・迎え入れ時に気を付ける→「受け入れられている」と感じられる雰囲気づくり
・関与(声をかける)と非関与(そっとしておく)の見極め
が大事とのことです。
【事例紹介①】空き家活用で地域に居場所とつながりを
川口 禎子 さん(地域のお茶の間研究所さろんどて)
「さろんどて」は茅ヶ崎市で空き家を活用した居場所づくりをしている団体です。
茅ヶ崎市では空き家問題や社会的孤立が課題となっていました。
2012年、市内で一人暮らしをしていた“齋藤さん”が施設入居するのをきっかけに自宅を借用することになったのが、多世代の居場所「さいとうさんち」の始まりだそうです。
他にも妊娠されている方と0歳児・母親が対象の「プレママと赤ちゃんの日」、教会を借りての子育て支援「ほんそん子ども食堂『いただきます』」、茅ヶ崎市内の空き家活用マッチング制度によって運用を始めた「松ヶ丘かんさんち」の他、傾聴講座やフードパントリーを行っています。
茅ヶ崎駅から徒歩5分の場所にある「さいとうさんち」
【事例紹介②】ちいき子ども食堂と宿題・学習支援
高橋 亜衣子 さん(ひばり野のなかま達)
「ひばり野のなかま達」は平塚市内の中原地区・豊田地区で子ども食堂や学習支援をしている団体です。
2019年、1日限定でオープンした従業員全員が認知症の「注文をまちがえる湘南フレンチレストラン」から地域の高齢者の可能性を感じ、近年の核家族化・共働き世代の増加によって、他者・多世代交流や居場所について考えるようになったそうです。
コロナ禍の対応として子ども食堂はテイクアウトに変更しましたが、安いお弁当屋さんと勘違いされ中止を余儀なくされたそうです。
しかしながら、テイクアウトでなければ利用できない層もいるのでいつか手を差し伸べられるようにしたいと話していました。
中原地区の子ども食堂「キッチンひばり野」
質疑応答
講座中にお寄せいただいた質問を一部抜粋して掲載します。
・スタッフ同士の理解を深めるポイントは?
……運営日以外の日にスタッフたちが集まって、お茶や食事をしながら”私”のことを語る場を設けると良いです。お互いを慮る関係になるために自分のことを語り、相互理解を深めてみましょう。(米田氏より)
・活動を継続する秘訣は?
……ゆっくり進める。小さく始める。無理をしない。家庭を優先させ良い。メンバーと家族の生活リズムを崩さないのが大事です。(川口氏より)
創始者以外の人が活動について理解していて、話せるというのも大事ですね。(米田氏より)
・子ども食堂への寄付について教えてください。野菜1種類でもいいですか?
……野菜1種類程度であればその日の調理ですぐに使いきれるので直接お持ちいただいて大丈夫です。当日の15時頃、会場に持ってきてください。(高橋氏より)
ホームページ・SNSなどを活用し、わかりやすく寄付を呼びかけることが大切です。(米田氏より)
講座後には講師や既に居場所活動を行なっている団体さんと参加者の交流も多く行われていました。
アンケートからは
・活動のきっかけやヒントがたくさんありました。いろいろ考えながら仲間を募って居場所づくりを始めるきかっけにしていきたいと思います。
・事例発表はそれぞれのご苦労がよくわかりました。応援したいです。
・”一人の願い”から皆の場がつくられていく大切さ。楽しんで活動することの大切さのお話も印象的でした。
など様々な感想をいただきました。
今回は当センターの登録団体の方や地域で活動中の団体/個人の方以外にも、「Facebookで講座を知りました!」という市外の方も数名ご参加くださったことから「居場所づくり」の活動はとても注目を集めている活動なのだと実感しました。
センターのFacebookではセンター主催の講座の告知や開催報告をはじめ、助成金のご案内など市民活動に役立つ情報を発信しています。
ひらつか市民活動センターFacebookページ
情報発信についてはセンター情報誌「ひらつかの風」33号にも掲載されています。
2023.7.31 記