「行政とNPOの協働」研修会開催報告(11/2実施)
2022.11.25

令和4年11月2日(水) 10:00~12:00

講師に、手塚明美氏(認定NPO法人 藤沢市民活動推進機構 理事長)をお迎えし、協働研修会「行政とNPOの協働」を開催しました。平塚市教育会館会議室に、平塚市の職員と市内で活動する市民団体のメンバーが一堂に介して、協働について共に学び、意見交換を行いました。

(参加者: 市職員21名 市民活動団体19名 計40名)

 

まず、講師から“協働とは、共通の社会目的を果たすために、それぞれの資源や特性を持ち寄り対等の立場で協力してともに動くこと”との定義の確認がありました。

<資源>

行 政 :人材、財源、信用、情報発信力、組織力など

市民活動:熱意、瞬発力、多彩な経験、自由な発想、遊び心など

 

<特性>

行 政 :法的手続きの元で、公平・画一に、全体的な益を求める

市民活動:共感をベースとして、自発的に動き、対象は部分的(地域、テーマなど)

 

それぞれの立ち位置を理解して歩み寄らなければ、協働は難しいでしょう。

また、お互いの強みを持っているということが、すでに対等なのであり、相手の力量を認めて「少しだけ力を貸して!」という気持ちが大事とのお話がありました。

 

ある社会的課題を解決したいという目的は同じでも、そこへのアプローチはそれぞれ違ってきます。ただ“目的”に至るための中間地点に立てる“目標”がクロスするところに“協働”が可能になってくるとのことでした。

  講師の手塚さん

熱心に学ぶ市職員と市民活動団体の皆さん

 

<講師からのアドバイス>

行政へ:

➀行政として言うべきこと、やるべきことは正しく市民にぶつけましょう。形だけの意見聴取は見抜かれます。

②幼児に料理を教えるのと同じで、最初は手がかかるが後が楽になる。協働事業の事業効率は当初落ちるので、議会や上司を納得させる事業評価の手法を探しましょう。

 

市民団体へ:

➀市民の力は圧倒的に小さい。お金・力・人材をもっている行政を活用しましょう。

②相手が理解できる落としどころを探しましょう。

②行政情報に精通し、行政が行っている事業を知っておきましょう。

 

最後に、協働は手段(プロセス)であり、協働自体を目的や実績にしないということを強調されました。うっかり陥りがちな落とし穴ですね。

たくさんの小さな協働が、市民も行政も巻き込んで、ともに新たな価値を創造する。失敗もあるだろうけれど、その失敗もしっかり検証して次につなげていくことで、多種多様多彩な社会が出来上がっていく。その未来を担うのが自分たちだとの気持ちをもって協働にチャレンジして欲しいとのことでした。

 

行政の側からも市民団体からも、「協働への理解が深まった」、「機会があれば、協働・連携してみたい」との意見が多く寄せられました。その一方で両者とも、「協働・連携は難しい」との思いもぬぐえないようです。行政からは、時間・お金・人材の不足や体制づくりの必要性、市民団体からは、書類など事務手続きの煩雑さや行政のニーズがつかめないなどの意見がありました。

しかしながら、お互いが同じテーブルで話し合ったことはとても有意義であり、今後も対話を続けていきたいとの声が多く聞かれました。

 

複雑化していく社会課題の解決には、行政とNPOの協力・連携は大変重要です。その形を作るのは簡単ではありませんが、まずは対話を重ねて互いを知ることから、新しい協働の道が開けるのではないでしょうか。

ひらつか市民活動センターでは、今後も行政や企業・大学などと市民活動団体の橋渡し役として、このような交流の機会を提供していきたいと思います。

活発な意見交換がなされました。

 

 

令和4(2022)年11月20日 記