「団体の活動を見つめ直し未来を描く~協働から生まれるまちづくり~」第2回開催報告(2024/10/5実施)
2024.10.24

令和6年度市民応援講座(連続3回)

第2回「団体の活動を見つめ直し未来を描く ~協働から生まれるまちづくり~」

これからの未来まちづくりに向けて活動のアップデート!

 

 

自分たちの活動の魅力って?協働ってなんだろう?つながる方法って?

自団体のコアとなるビジョン・ミッションが活動によって体現されていますか?

活動を続けていくこと自体が気付いたら目的になってしまっている…そんなことはないでしょうか!?

 

連続3回講座の第2回目は講師に認定特定非営利活動法人日本NPOセンター特別研究員の椎野修平さんをお迎えして開催いたしました。

 

【日時】10月5日(土) 14:00~16:00

【参加者】23名 (5団体12名・個人4名・行政3名・センタースタッフ4名を含む)

 

 

 

1.第1部 講義 「協働のこれまでと、これから」 椎野修平

<講義内容>

・協働について

・可能性と選択肢としての協働

・協働の必要性について再考する

 

第1部は椎野さんに講義形式でお話しいただきました。

1990年代に市民セクターへの期待の高まり、NPO法の成立によって自治体のNPO支援施設の設置や補助金制度・基金の創設によるNPO支援が盛んになり、行政・企業が市民セクターへの支援から「協働」へという動きが出てきました。

協働の必要性は行財政改革・地方分権・市民自治の回復という3つの文脈があり、”協働の可能性を考える上で大切な事は、直接的な成果だけでなく、意識改革や組織変革も含めて検討する必要がある”等々、講義の前半でご説明いただきました。

講義の後半は協働の概念を図と表を活用してお伝えいただきました。

“協働は市民団体の活動領域と自治体の活動領域が掛け合わさる中間地点にあたる部分で、両者が役割に応じて経営資源を出し合うことで成り立っている”とし、NPO法成立から20年以上経過した近年は、制度面が一定程度整って現状の制度や施策に満足しているように思われ、行政もNPOも新たな施策を打ち出せていないような状況である、とお話しくださいました。

そこで、協働を巻き(蒔き)直すために、

①課題解決や新たな価値の創造は自団体のみで可能か?

➁協力・連携が期待できる組織は存在するか?

➂その組織へのアプローチは可能か?

④役割分担や責任分担はイメージできているのか?

⇒協働をコーディネートする機能と役割が必要で、改めて、協働とは何か、協働の必要性について考える必要がある

また、同時に中間支援組織(支援センター)の役割も重要、とお話しいただきました。

 

 

 

2.第2部 対談 「平塚市の協働事業の事例から」 椎野×ひらつか市民活動センターセンター長 坂田

<対談内容>

・平塚市のこれまでの協働事業の紹介

・行政/NPO/企業、それぞれが持つ目的と課題からの協働への道筋

・協働で生まれる効果、成果

 

 

 

第2部は椎野さんと坂田センター長との対談形式で進めていきました。

まずセンター長から平塚市の協働についてのこれまでの実施事例を紹介がありました。

 

■<平塚市協働事業事例>

①認定NPO法人 フードバンク湘南×平塚市環境政策課

→フードロスの削減に向け、アプリを活用した官民連携によるSDGsの推進にも役立っている

 

➁ひらつか着地型観光推進委員会×平塚市商業観光課

→平塚市内に元々ある魅力的な資源(自然環境、地域活動、企業の社会貢献等)に目を向け、親子で楽しめるプログラムができた

 

➂NPO法人 湘南NPOサポートセンター×平塚市協働推進課

→高齢化社会中で地域活動の担い手不足に悩む地域の皆さんと行政・NPOが共に考え解決策を共有できた

 

④NPO法人 ぜんしん×平塚市農水産課・農業委員会事務局

→ひきこもりの若者が得意とするITを活用しながらスマート農業の推進に取り組み、社会参加のきっかけとなっている

 

⑤NPO法人 ひらつかのら猫を減らす会×平塚市環境政策課

→地域猫活動を地域に理解・協力してもらうためには行政との協働が不可欠。企業との協働も進んでいる。

 

NPO/行政/企業はそれぞれが違う目的をもって活動しているが、お互いに歩み寄って相互理解をすることにより、課題や目的の共有、そして連携・協力・協働につながっていく、という協働の姿を平塚市の事例でお伝えしました。

 

また、椎野さんとセンター長との対談では、協働で生まれる効果・成果について

協働は地域の問題解決またはそのきっかけづくりとして実施した結果、

①まちづくりへの関心が高まり参加する市民が増える

➁まちづくりに取り組む同士・仲間として組織を越えた対等な関係が構築できる

→目指すは生き生きとした豊かで活力ある地域社会の実現ですね

とまとめられました。

 

また、当日の参加団体の方から、過去の協働実績とその経験談をお話くださる時間もあり、実践としての協働を考え、団体の自分事としての協働に繋げる意識を持つための一歩となりました。

 

 

 

 

3.質疑・応答

対談後の質疑・応答では、参加者の方々から椎野さんのお話を聞いての質問が挙がりました。

その一部をここでご紹介します。

 

Q1.組織基盤を整えるということはどういうことか?

A1.組織の運営はその要素として、日々の活動の他に、お金集めや経理の事務局機能がある。

組織の運営は経営という側面もあるので、事務局としての要素も必要。

団体の高齢化によって出来る事が限られるという団体の現状があるのであれば、後継者を探すなど、活動を今後も続けるためにも組織基盤をつくり、安定した活動ができる環境を整えるのことが大切。

 

また参加者から、”市民活動団体と行政と一対一の協働だけではなく、他機関・多機関連携を視野にいれて日頃から活動していくこともよいのではないか”、というメッセージが寄せられ、団体の日々の活動の姿勢に目を向けることにも繋がっていきました。

椎野さんからは質疑応答の中で、「縦糸(地域)と横糸(NPO)の網目を埋めていくことも協働の1つの姿である」として、様々なかたちの協働によって団体同士が一緒に協働をしていく、協働の広がりと可能性についてもお話しくださいました。

 

 

 

椎野さん、本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。

参加者してくださった団体の皆様、ご受講ありがとうございました。

次回は10月27日(日)、連続3回講座の最終回です。

講師にActive Learnersさんを再びお迎えして開催いたします!

どうぞよろしくお願いいたします☆

 

 

センタースタッフ一同    10.24記